Designer of the pavilion SHIN TAKAMATSU
2024/08/22
雑誌「日経アーキテクチュア(2024年8月22日号)」に掲載されました。
2024/04/15
2023/12/01
2023/10/18
2022/05/30
2022/02/10
すべての「いのち」 あるものが
あたり前に幸せに暮らせますように。
輝く 「いのち」への想いと希望を、
持続・循環・継承・進化を象徴する
「メビウス」 のかたちに託したパピリオンです。
共同出展の経緯Background of joint exhibition
飯田グループホールディングスと大阪公立大学は、2025年大阪・関西万博に、国内初の試みとして産学連携し、共同出展します。
伝統と進化の融合
いのち輝く未来社会
それは、すべてのいのちが“幸せ”な世界。
過去から現在、未来へと時が移り変わる中でも
大切なものは進化を繰り返しながら脈々と続いていく。
それは、朝起きて食事をし、働き、遊び、夜眠る、
そんなあたり前のことができる日常こそが
幸せなのだと私たちは思う。
そんな日常を支えるのは
「ただいま」と言って帰ってくる家と街。
そこはいのちを守り、つなぎ、育む場所。
誰もがあたり前に幸せに暮らせる社会を目指す
私たち飯田グループと一緒に
「住まいと暮らし」から、いのちと幸せを考えてみよう。
人類だけでなく、「いのち」あるすべてのものが
あたり前に幸せに暮らせる世界を創造すること。
それが、サステナブル社会への第一歩。
輝く「いのち」への想いと希望を、
持続・循環・継承・進化を象徴する「メビウス」のかたちに託したパビリオンです。
細長い帯をねじって両端を貼り合わせることにより、表裏の区別がない連続した面となる図形のこと。「無限」や「永遠」をあらわすモチーフとしても使われています。
過去から未来へとつながる時間軸をあらわすために、外壁の装飾には最新技術を取り入れた西陣織を採用しました。今の時代だからこそ可能な先進技術と、未来に継承していくべき伝統技術が織りなす圧倒的な美しさに、いのち輝く未来社会を実現していきたいという思いを込めています。
敷地面積:約 3,500㎡
階数:地下1階、地上2階
最高高さ:(4面)約 12.3m、(6面)約12.7m
構造:骨組膜構造一部鉄骨造
建設施工:清水建設株式会社
西陣織制作:太陽工業株式会社、株式会社細尾
伝統を継承し、未来につなげていく。その象徴として1200年以上続く西陣織を建物の外璧に使用しました。西陣織の老舗「細尾」の協力のもと誕生した、世界最大の西陣織建築についてご紹介します。
西陣織は京都の西陣で生産される、先染の織物のことです。日本を代表する高級絹織物として広く世界に知られ、国の伝統的工芸品にも指定されています。
従来の西陣織の幅は帯の寸法に合わせた32cmが標準。しかし、今回は世界のテキスタイルの標準である150cm幅の西陣織を織ることができる「細尾」独自開発の織機と、3Dマッピングの技術を用いて、立体的な織物をつくりあげました。
人間にとって美や装飾は必要不可欠なもの。
私たちは後世に受け継がれるような
革新的な美をつくりあげたいのです。
外装協力
「細尾」代表取締役社長
細尾真孝
西陣織の織元「細尾」の12代目当主。西陣織と最先端テクノロジーを融合させた革新的なテキスタイルを開発し、世界の一流メゾンやアーティストとコラポレーション。伝統産業の枠を超えたクリエイティブな視点で、西陣織の歴史に新たな1ページを刻んでいる。
元禄元年(1688年)、本願寺より「細尾」の名字を受け、京都・西陣にて創業。伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術によって唯一無二のテキスタイルを生み出し、日本だけでなく世界へと「きもの」文化を発信し続けている。
パビリオン設計者
高松 伸
設計に込めた想い
長径24m、短径15mの巨大な円形都市モデル(ジオラマ)を中心に、
その周囲に全ての展示アイテムが収束する、いわばワンルーム立体展示計画が、極めて包摂的なパビリオン空間の実現を要請するに至りました。
これを架構するべく考案したところのメインアーチ、サブアーチ、リングガーター等の曲線構造材による複合的な三次元駆体の形状が、象徴としての「メビウス」をありありと可視化することになったと言えるでしょう。
経歴
京都大学名誉教授、工学博士、
日本建築学会会員アメリカ建築家協会(AIA)名誉会員、
ドイツ建築家協会(BDA)名誉会員
英国王立建築家協会(RIBA) 会員
1971
京都大学工学部建築学科卒業
1974
京都大学大学院工学研究科修士課程建築学専攻修了
1980
京都大学大学院工学研究科博士課程建築学專攻修了
高松伸建築設計事務所設立
1997
京都大学大学院工学研究科教授
2013
京都大学名誉教授
株式会社高松伸建築設計事務所 代表取締役就任
受賞歴
日本建築学会賞、国土庁長官賞、京都府文化賞功労賞
芸術選奨文部大臣賞、都市景観大賞、公共建築賞優秀賞
他多数受
これまで、飯田グループホールディングスと大阪公立大学は「人、社会、地球の健康」をテーマに、持続可能な住まい・暮らし・社会を創造する「未来型住宅」や「まちづくり」の実現に向けて、共同研究部門を設け、研究・開発を行ってまいりました。
2025年大阪・関西万博のメインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は、まさに私たちが目指す未来社会そのものです。万博のテーマと私たちの考えが合致していることを知り、産学連携してパビリオンに出展いたしました。
出展にあたって
飯田グループホールディングス株式会社
名誉会長
森 和彦
大阪公立大学と飯田グループホールディングスが従来より取り組んでおりました共同研究開発内容が、今回の大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」と見事に一致することに大きな縁を感じています。私たちが近い将来実現させたい”安らぎと幸せの住環境”を、大阪から世界中の方々に発信させたいと強く願っています。
公立大学法人大阪理事長 福島 伸一
大阪公立大学学長 辰巳砂 昌弘
大阪公立大学が開学してすぐに、大阪・関西万博という舞台で、共同研究の成果を世界に発信できる機会に恵まれたことを大変光栄に思っております。企業と大学の共同出展は、国内の国際博覧会では初の試みです。また、本パビリオンは、本学をはじめとする学生も参加します。学生・大学・企業の視点で「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向けた取り組みを発信することで、未来を担う若者が世界中の人々と交流しながら、幸福な未来社会の実現に向けて考え、行動するきっかけを提供できるよう取り組んでまいります。