サステナビリティ - 環境
森林の保全・管理
持続可能な社会を実現し、豊かな地球環境を次世代に残していくために、環境負荷の低い木材の使用を促進するだけでなく、適切に保全・管理をおこなうことが脱炭素社会の実現に向けて重要であると考えています。サステナブルな森林経営を推進し、CO2の吸収源を安定的に確保するとともに、カーボンニュートラル(※1)の達成に貢献していきます。
- ※1二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにするという考え方。
森林によるCO2の吸収・固定
飯田グループの森林

CO2の吸収
当社グループはロシア極東のハバロフスク地方に面積約400万ha(九州の 約1.08倍)の森林資源を保有しています。これは海外に権益を保有する日本企業としては最大級の面積です。
この森林で吸収されるCO2は、第三者機関による算定で年間約950万トンと試算されています。日本の一人当たりCO2排出量は9トン程度(※1)であることから、この森林は約100万人分を超えるCO2の吸収源となります。
当社グループのScope1・Scope2(※2)におけるCO2排出量は、年間6.6万トン(2024年3月期)であることから、保有森林による吸収量が排出量を大きく上回っています。

- ※1国立研究開発法人 国立環境研究所による算出
- ※2Scope1:自社による温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
CO2の固定
適切に手入れされている樹齢36~40年生のスギ人工林は1ha当たり約302トンのCO2を蓄えていると推定(※1)されています。
当社グループが保全する400万ヘクタールの森林をスギ人工林と考えた場合、約12億トン(※2)のCO2を貯蔵していることになります。

- ※1林野庁による推定
- ※2二酸化炭素貯蔵量は自社データに基づき算出
森林保全
木材加工工場を持つファーストウッドグループでは、豊かな森林資源を守り、持続可能な森林環境の保護を目的とした活動に取り組んでいます。
地元組合などと協力しながらスギの苗木生産を開始し、森林の保育経費削減を目指しています。

木材の利用
ファーストウッドグループで製造する木材が、青森県の六戸町立義務教育学校「六戸学園」に使用されています。
2025年度開校予定の本校は全国でも珍しい木造校舎で、構造材の9割は青森県産材を使用し、当グループ工場で製造されたスギLVL(単板積層材)とカラマツLVLが用いられています。建設時のGHG排出量は鉄筋コンクリート造に比べ約16%(※1)削減することができ、六戸町の世帯数の約20%に当たる一般家庭約900世帯分のGHG排出量を固定しています。
- ※1第三者機関認証を受けた算定ツールを用いて、60年間のライフサイクルアセスメントに基づくGHG排出量を算定。

自伐型林業
ファーストウッドグループでは、採算性と環境保全を高い次元で両立する「自伐型林業」に取り組んでいます。自伐型林業とは事業者と山守が共同で実施し、長期にわたる多間伐(※1)施業により長期的に経営を安定させる林業です。
安定的な雇用が創出され、移住・定住策となり、獣害対策や災害防止、脱温暖化対策等の様々な効果が期待できます。
- ※1間伐とは成長に伴って混みすぎた林の立木を一部抜き伐りすることをいう。

企業の森事業
(株)東栄住宅は、CSR活動の一環として、東京都と公益財団法人東京都農林水産振興財団が推進している『企業の森』事業へ、木造住宅供給事業者としては初の参画をしています。社員一人ひとりが環境保護活動に取り組むことで社会貢献できる企業となり、また、実際に社員が「森づくり」を体験することで、苗木が木へと成長するまでの年月、大変さを実感し、資材を「大切に扱う」ことのできる社員の育成に取り組んでいます。

- ※「企業の森」とは
企業の協賛により「花粉の少ない森づくり」を進めていく事業です。多摩地域のスギやヒノキ等の人工林を伐採し、花粉の少ないスギ等を植栽することにより樹種更新を図り、多摩地域から発生するスギ花粉量の削減を目指します。