持続可能な社会を実現し、豊かな地球環境を次世代に残していくために、環境負荷の低い木材の使用を促進するだけでなく、適切に保全・管理をおこなうことが脱炭素社会の実現に向けて重要であると考えています。 サステナブルな森林経営を推進し、CO2の吸収源を安定的に確保するとともに、カーボンニュートラル(※1)の達成に貢献していきます。

  • ※1 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」 を差し引いて、合計を実質的にゼロにするという考え方

森林によるCO2の吸収・固定

森林のCO2貯蔵量
森林のCO2貯蔵量

CO2の吸収

当社グループはロシア極東のハバロフスク地方に面積約400万ha(九州の 約1.08倍)の森林資源を保有しています。これは海外に権益を保有する日本企業としては最大級の面積です。
この森林で吸収されるCO2は、第三者機関による算定で年間約950万トンと試算されています。日本の一人当たりCO2排出量は9トン程度(※1)であることから、この森林は約100万人分を超えるCO2の吸収源となります。

当社グループのScope1・Scope2(※2)におけるCO2排出量は、年間7.3万トン(2022年度)であることから、保有森林による吸収量が排出量を大きく上回っています。

  • ※1 国立研究開発法人 国立環境研究所による算出
  • ※2 Scope1:自社による温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
    Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
飯田グループCO2吸収と固定
飯田グループCO2吸収と固定

CO2の固定

適切に手入れされている樹齢36~40年生のスギ人工林は1ha当たり約302トンのCO2を蓄えていると推定(※1)されています。
当社グループが保全する400万ヘクタールの森林をスギ人工林と考えた場合、約12億トン(※2)のCO2を貯蔵していることになります。

  • ※1 林野庁による推定
  • ※2 二酸化炭素貯蔵量は自社データに基づき算出

生物多様性の保全

当社グループでは継続的に生物多様性の保全活動を推進し、自然と共生する社会の実現を目指しています。
森林資源を保有するRFP社では2020年5月に、自然環境保護NGOのWWFロシアと「保護価値の高い森林」を保全するための覚書を締結しました。極東ロシアの沿海地方やハバロフスク地方には、絶滅危惧種であるシベリアトラをはじめ、野生生物のすみかが存在します。これらを保全し、生物多様性に配慮した森林経営を行っています。

飯田グループの森林面積・CO2貯蔵量・CO2吸収能力

森林保全

木材加工工場を持つファーストウッドグループでは、豊かな森林資源を守り、持続可能な森林環境の保護を目的とした活動に取り組んでいます。
地元組合などと協力しながらスギの苗木生産を開始し、森林の保育経費削減を目指しています。

飯田グループの年間CO2吸収量と排出量

カラマツ・スギの苗木生産

自伐型林業

ファーストウッドグループでは、採算性と環境保全を高い次元で両立する「自伐型林業」に取り組んでいます。自伐型林業とは事業者と山守が共同で実施し、長期にわたる多間伐(※1)施業により長期的に経営を安定させる林業です。
安定的な雇用が創出され、移住・定住策となり、獣害対策や災害防止、脱温暖化対策等の様々な効果が期待できます。

  • ※1 間伐とは成長に伴って混みすぎた林の立木を一部抜き伐りすることをいう。
飯田グループの年間CO2吸収量と排出量
飯田グループの年間CO2吸収量と排出量

植樹イベント「ABMORI」協賛

当社は、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが「後世に残そう森・水・いのち」をスローガンに、長野県志賀高原にて行う植樹イベント「ABMORI(エビモリ)」に協賛いたしました。

ABMORIは、毎年、全国各地から集まった1000名のボランティアの皆様、地元の小中高生と共に、2014年から継続して開催されています。
植樹活動だけではなく、「植える、見守る、生かす、広める、育てる」をコンセプトに、小学生を中心に苗の採取と育成、中高生を中心に植樹地のモニタリング調査、広報活動を行うなど、学生の環境学習プログラムの一環として活用されています。

企業の森事業

(株)東栄住宅は、CSR活動の一環として、東京都と公益財団法人東京都農林水産振興財団が推進している『企業の森』事業へ、木造住宅供給事業者としては初の参画をしています。社員一人ひとりが環境保護活動に取り組むことで社会貢献できる企業となり、また、実際に社員が「森づくり」を体験することで、苗木が木へと成長するまでの年月、大変さを実感し、資材を「大切に扱う」ことのできる社員の育成に取り組んでいます。

  • ※ 「企業の森」とは
    企業の協賛により「花粉の少ない森づくり」を進めていく事業です。多摩地域のスギやヒノキ等の人工林を伐採し、花粉の少ないスギ等を植栽することにより樹種更新を図り、多摩地域から発生するスギ花粉量の削減を目指します。

再生可能エネルギー

木質バイオマス

「バイオマス」とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」のことを呼びます。そのなかで、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。
(林野庁より引用)

ファーストウッド(株)は、木質バイオマスを有効活用しています。製材するときに出てくるオガクズは、キノコや牛舎の床用に、チップは製紙会社の紙の原料にすることができます。

また、自社工場から排出されるバーク(木の皮)、オガクズなどを大型自家発電付きボイラーの燃料として活用し、木材乾燥に必要な蒸気と工場操業に必要な電気を効率良く得ています。

さらに、全国で処理に困っている木材の端材を回収し、再生を図る事業の構築にも取り組んでいます。

太陽光発電事業

環境負荷を低減し、次世代まで安心して利用できる「再生可能エネルギー」の普及促進は、依然として求められています。そこで、一建設(株)及び(株)東栄住宅は、「再生可能エネルギー」を創出することを目的として太陽光発電設備の設置・運用を行っています。主力事業である戸建分譲事業以外の土地活用の一つとして、土地仕入の際に寄せられる多くの情報や、所有する遊休地の活用につながっています。

一建設(株)ソーラー発電施設(栃木県真岡市)

(株)東栄住宅ソーラー発電施設(群馬県邑楽郡大泉町)