当社グループの主力事業である戸建住宅には多くの木材が使われています。木材は、光合成によって吸収された大気中のCO2を炭素として貯蔵し続ける機能があることから、街に木造建築物を増やすことは「第2の森林づくり」とも言われています。当社グループでは住宅の安定的な供給を通じてサステナブルな社会づくりに努めていきます。
森林の循環につながる木造住宅
木は樹齢が高くなるとCO2を吸収する能力が低下するため、一定年齢を超えた木は伐採して若い木を植えて育てることによって森林全体のCO2吸収能力を高めることができます。
木造住宅を建てるために計画的に木を伐採することは健全な森林循環を促進することになるのです。
木造住宅の炭素貯蔵量
木造住宅一戸当たりの炭素貯蔵量は6 t-C (炭素トン)と推定(※1)されており、木造住宅は鉄骨プレハブ住宅や鉄筋コンクリート住宅と比べて約4倍の炭素を貯蔵します。
また、木材は鉄やコンクリート等の資材に比べて、製造時や加工時に放出する炭素が少ないため、木材の利用促進はCO2排出削減に貢献します。
当社グループは、年間で約43,000棟の木造住宅を供給しており、約19万t-Cの炭素を蓄えている計算になります。
- ※1 一般的な木造住宅(134㎡)による試算(林野庁「令和2年度 森林・林業白書」)結果と当社グループの平均延床面積(約100㎡)により算出。
グループ統一品質基準によるCO2排出抑制
当社グループは住宅性能表示制度の「断熱等性能等級4」以上かつ「一次エネルギー消費量等級5」以上をグループ統一の品質基準とし、分譲戸建全棟で取得しています。(※1)この性能の住宅が排出するエネルギー消費量は1棟あたり年間3.1トンです。
一般的な住宅(※2)のCO2排出量と比べて、約15%の削減効果があります。(※3)
2023年3月時点の基準において、当社グループで供給する約80%の住宅は、さらに高い性能のZEH(ゼッチ)水準(※4)である「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」を取得しています。この性能の住宅は一般的な住宅と比べて約20%の削減効果があります。
一般的な住宅 | 飯田グループ 品質基準 |
飯田グループの住宅ZEH基準(※5) | |
---|---|---|---|
断熱等性能等級 | 等級4 | 等級4 | 等級5 |
一次エネルギー 消費量等級 |
等級4 | 等級5 | 等級6 |
エネルギー消費量 (CO2換算量)※4 |
3.69トン | 3.15トン | 2.98トン |
一般的な住宅との 削減比率 |
- | 14.6% | 19.3% |
- ※1 2022年4月1日以降に当社グループが売主として販売契約した新築分譲戸建が対象。分譲戸建住宅には、注文住宅など請負によるもの及び海外物件、仲介物件は含まない。2022年4月1日時点で施行されている法律・制度に基づいており、法改正等により変更となる場合がある。
- ※2 「一般的な住宅」とは、「耐熱等性能等級4」かつ「一次エネルギー消費量等級4」を取得している住宅。
- ※3 ZEH(ゼッチ)住宅とは、実質的なエネルギーコストがゼロになる住宅(Net Zero Energy)のことをいう。住宅性能表示制度で「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」の両方を取得している住宅をZEH水準住宅という。(2022年4月現在)
- ※4 エネルギー消費量(CO2換算量)は、自社データに基づき「エネルギー消費性能計算プログラム」(建築研究所)を使用して算出。
- ※5 2022年10月時点
持続可能な社会の実現に向けた研究開発
当社は「水素社会」の実現に向け、独自の人工光合成技術により、二酸化炭素と水、または二酸化炭素由来の有機物から蟻酸を生成・ 貯蔵し、更にこの蟻酸から生成した水素により発電した電気で家庭の電力を賄う住宅「IG パーフェクトエコハウス」の研究開発を行っています。
この技術確立を目指し、大阪公立大学との共同研究を推進し、蟻酸及び水素生成効率の向上や、発電機構の構築、装置の耐久性向上等に取り組んでいます。
また再生可能エネルギー設備の設置義務化に備えて、人工光合成技術のほか、太陽光発電装置等の代替品サプライヤーとの協業を含めた複数の選択肢について検討を進めています。
